低学年の子に歴史まんがを買ってみる②の続きです。
前回は、角川・小学館・集英社の3社を調べましたので、今回は残りの2社について調べてみました。
講談社 学習まんが 日本の歴史 全20巻
こちらの講談社のシリーズは、受験新時代と呼ばれる今の時代の新学習指導要領完全対応で、2020年7月に発売されたばかりの新しいシリーズです。
公式サイトにも、『令和の歴史まんが、ついに誕生』と紹介されています。
こちらのシリーズの監修は、気鋭の若手研究者の方々がされており、歴史の解釈も最新の研究を反映されています。
また、各巻の漫画も実力派の漫画家さん達が描かれており漫画そのものに読み応えがあるので、小学生から受験生までみんなが繰り返し読みたくなる面白さです。
東進ハイスクールなどを経てリクルートのスタディサプリ(インターネットの予備校。予備校といえば通うものだった私からすれば、自宅で予備校の授業が受けられるなんて、ハイテクな時代になりました。)で高校日本史・中学歴史など社会科7科目を担当しておられ、日本一生徒数の多い社会科講師の異名を持つカリスマ歴史講師、伊藤賀一さんがこちらのシリーズを読まれて驚かれたそうで、その驚かれた7つの驚きをご紹介します。
1:各章のとびらで必ず『なぜ?』を提起
2:テストを意識した知識を会話にも!
3:世界史+地理+公共と連動ーー次世代受験対応
4:楽しく前向きな内容で『なぜ?』に答える
5:『応仁・文明の乱』など正確で信頼できる表記
6:難解大入試や雑学王に通用する『マメ知識』
7:『なぜ?』に必ず答えを出し、次話へ繋ぐ
1の各章とびらでのなぜ?はその章の知りたいポイントをまとめてくれているので抵抗なく頭に入ってきます。
例えば、1巻に収録の第1話『列島のあけぼの』の巻頭ページを見てみると、
“日本列島の歴史はいつごろどのようにはじまったのだろうか?”
このように書かれています。
これだけで、このお話では日本列島の歴史の始まりについてみていけば良いのだな、ということがわかります。
また、それと合わせて旧石器時代の少年の姿がナウマンゾウとともにイラストで描かれており、“寒冷な奇行だったこの時代は、防寒性の高い大型獣の皮革でできた衣服を着ていた”という解説が書いてあります。
このように各巻頭ページを見るだけでも当時の暮らしや交通、考え方などの思想までわかるようにポイントとしてまとめられています。
また、6のマメ知識はなんと全部で約3500本もあるそうで、本編のみならずこういったマメ知識の部分でも楽しめるように工夫されています。
この情報量の多さが大学受験にも通用するのでしょうね。
また、公式サイトではこちらのシリーズは難関中学受験でどこでも受かるレベルとおっしゃっていて、これだけでもこのシリーズに対する自信が伺えますよね。
特典で歴史人物のデータカードがついてくるようです。これは魅力的ですね!
学研 DVD付き学研まんが NEW日本の歴史 全12巻
今までご紹介した小学館・集英社・角川・講談社と一線を画す歴史まんががこちら学研のシリーズです。
こちらはなんと全巻に30分のDVDアニメがついており、さらにまんが本体も全巻オールカラーになっています。
更にDVDにはアニメだけでなく充実した資料(なんとNHKの資料映像)やスペシャル映像が収録されており、まんが⇄資料⇄スペシャル映像の相互の働きかけにより、より理解が深まり知識が定着するのはもちろんのこと、主体的で深い学びにつながるよう構成されています。
まんがを読んでからDVDアニメを見る。DVDアニメを見てから、まんがを読む。この流れでより理解が深まる工夫がされているのですね。
またオールカラーの漫画イラストは、白黒ではわからない歴史上の資料の配色などが直感的にわかり、テレビ世代の子ども達の記憶にも残りやすいよう工夫されています。
DVDとカラーの漫画にばかり注目がいきそうですが、各巻の最初には
“その時世界は・・・?”というぺージがあり、その巻で扱っているその時代、世界はどのような様子だったのか、日本と比べながら見られるよう特集ページがついています。
しかもそのぺージは世界と日本を写真で比較できるんです。
この日本の動きと世界の動きを同時に写真で見比べられるページが、個人的にはとても面白く感じました。
その世界の写真や解説も一箇所だけの話ではなく、世界各地の同時代の様子が取り上げられているのが、更に世界の中の日本であると意識させてくれます。
日本史も世界史の一部であるということを無意識に理解させてくれるように思いました(この視点は高校の歴史総合で求められる視点です)。
私個人は高校歴史で日本史と世界史を平行で考えられなかったので
(日本史は日本史として覚えて、世界史は世界史として覚えていたので、世界の中での日本の流れはあまりわかっていなかった。それこそ授業で、今日本ではこんな時代だよ、と習った部分以外は世界史を学ぶ中でつながっていませんでした。完全な別物というか。完全にそれぞれ単体で暗記してるだけ。)
これこそ私が日本の歴史まんがを買おうと思った、歴史漫画シリーズで日本史を帯のように覚えられて、世界史はその帯の間に入っていくと聞いたイメージそのものです。
また資料映像もNHKの映像と聞くと難しいものに感じますが、オリジナルのスペシャル映像では、オリジナルキャラクターハニック&ドギーによるコミカルなアニメもあり、我が家のような低学年の子どもでも十分に楽しめるDVDになっています。
巻末資料は後ろから読んでいくように工夫されているので、まんがを読むときは巻頭から、資料を見るときは巻末からと、それもわかりやすくていいなぁと思いました。
この巻末資料は新学習指導要領に対応しているので、その点も安心して読み進められます。
また、人物や出来事だけを覚えるのではなく、その人物がどんな考えでどんな行動をしたのかというところにも注目して描かれています。
イラストも漫画家さんが描かれているので違和感もありません。
結論:我が家はこれにしたよ
というわけで、読んでいただいた方々は予想が付かれたと思いますが、我が家は学研の歴史まんがを購入しました!
理由は、
そもそも歴史という概念もなく、授業で習ったわけでもない中でDVDアニメで見ることによって、歴史というものがどんなものなんか、楽しみながらなんとなーーくでも掴めるのではないかなぁ
と思ったからです。
我が子の理解力では、角川や小学館などの他社の漫画だけでは、正直どの会社のものを選んでも間違いなく難しかったと思います。
DVDアニメという部分がかなり歴史まんがへのハードルを低くしてくれ、まんがを読むことに難しさや抵抗を感じることが少なくなったように思います。
オリジナルキャラクターのハニックたちも可愛らしくて、低学年の我が子にはちょうどよかったです。
アニメも、大人の私が見てもアニメとしてとても良くできていますし、我が子のような低学年の子でも食いついて楽しめるポイントも盛り沢山でした。
伝記で登場した人物が出てくるととても喜んで見ますし、アニメを見た後進んで漫画のその人物の解説ページや登場するページを読んでいます。
あと、DJ京童(ディージェイきょうわらべ)というキャラがラップで建武の新政の街の様子ををまとめてくれているのがあるのですが、低学年の子だけでなく幼稚園の下の子も喜んで歌っています笑
本は苦手だなぁという小学生にも、このDVDを見ることによって、漫画もぺらっとページをめくってみようかなぁというきっかけを作ることができるのではないでしょうか。
本が好きな子にも、本は苦手な子にも、DVD付きということでおすすめできるのではないかなぁと思いました。